Harrington Holdem Q3.

$10/20 Pot: $30
A: $1,550
B: $1,950
C: $870
D: $1,100
E: 2,050
YOU: $1,650
G: $1,400
@H: $1,280
SB: $1,450
BB: $1,700

状況: オンラインMTTの序盤。全体的にとてもタイトなテーブル。
ハンド: 9♠8♠
アクション: A〜Eまでフォールド

Q3a. あなたのアクションは?
A. フォールド
B. コール$20
C. レイズ$60
D. レイズ$85

アクション: あなたはレイズ$85。G、Hはフォールド。SBはコール。BBはフォールド。Potは$190。

フロップ: K♥5♦4♠

アクション: SBはチェック。

Q3b. あなたのアクションは?
A. チェック
B. ベット$100
C. ベット$180

アクション: あなたはベット$100。SBはコール。Potは$390。

ターン: 8♣

アクション: SBはチェック

Q3c. あなたのアクションは?
A. チェック
B. ベット$200
C. ベット$400

アクション: あなたはチェック。Potは$390。

リバー: 9♥

アクション: SBはベット$200。Potは$590。

Q3d. あなたのアクションは?
A. フォールド
B. コール$200
C. レイズ$400
D. レイズ$700
E. レイズオールイン

アクション: あなたはコール。SBは4♥4♦で4のスリーカードで勝利。


■解説■
A3a.
A: 0点 B: 1点 C: 2点 D: 3点

9♠8♠で特に正しいプレイはない。コールして安くフロップを見に行ってもいいし、レイズでPotを取りに行ってもいい。フォールドしてもなんら問題はない。
こういう局面で判断材料にすべきはテーブルに関する知識だろう。タイトなテーブルなので、レイズ>コール・フォールドと判断する。レイズをコールされても戦える手ではないので、Potを即座に得られるような額のベットが望ましい。よって正解は$85のレイズとする。

アクション: あなたはレイズ$85。G、Hはフォールド。SBはコール。BBはフォールド。Potは$190。
フロップ: K♥5♦4♠
アクション: SBはチェック。


A3b.
A: 0点 B: 3点 C: 0点
SBはポジションが無いのにもかかわらずコール。ここからどんな情報が引き出せるだろうか?「コールしたんだから、もしかしたら何か持ってるかもしれない」という思考停止はお勧めできない。上級者はこの時点で相手の手の範囲を探っているのだ。例えば、リレイズをしなかったのだからプレミアムハンドではないと推測できる。ハンドを予想するならば、

  • Ax
  • 22〜JJ程度のペア
  • KQ、KJ、QJなどのハイカード

相手についての情報をもっと持っていれば、さらに範囲を狭めることが出来る。例えば、タイトアグレッシブな相手に対しては低いポケットペアは除外できる。タイトはプレイヤーはポジションなしで33や44でプレイしないからだ。

注目すべきは、当然ながら9♠8♠は上のリストのほぼすべてに対して負けていることだ。しかし相手はそれをまだ知らないから、焦る必要は無い。
プリフロップでレイズをしたのだから、その利を生かすためのコンティニュエーションベット(CB)が妥当だろう。CBの額としてはPotの半分程度がコストパフォーマンスが一番良い。(CBに相手が3回に1度以上フォールドすれば利益が出る) このようなハイカード+ローカード2枚でレインボーのボードはCBに最適なことも記しておく。ストレートやフラッシュのドロー系ハンドについて考慮しなくていいからだ。
CBとしてPot相当の額を打つのはお勧めできない。ポットベットにフォールドするハンドはハーフポットベットにも大抵フォールドするからだ。

アクション: あなたはベット$100。SBはコール。Potは$390。
ターン: 8♣
アクション: SBはチェック。


A3c.
A: 2点 B: 3点 C: 0点
相手のハンドの範囲をもう少し狭めてみよう。

  • JJ、TT: ありうる。このハンドならプリフロップではコールするだろうし、フロップ後もオーバーカードが1枚しかないのでコールするだろう。
  • 99、88: 9が1枚、8が2枚見えるのでともに少し可能性は低くなる。
  • 77、66: ありうる。
  • 55、44: ありうる。この場合、セットが出来てスロープレイしていることになる。
  • 33、22: このハンドでフロップ後のコールはできないだろう。よって除外できる。
  • Ax: ありうるが、ヒットしていなければベットに対してはほぼフォールドするだろう。
  • KQ、KJ、KT: ありうるが、フロップ・ターンでベットしていないので可能性は低い。

打ち負かしているハンドからチップを搾り取る必要があるし、実際に相手がそのハンドを持っている可能性もまだ十分残されている。かといって打ち負かしているハンドがフォールドしてしまうようなベットはしたくない。ここでもハーフポットのベットがよさそうだ。

アクション: あなたはチェック。Potは$390。
リバー: 9♥
アクション: SBはベット$200。Potは$590。


A3d.
A: 0点 B: 3点 C: 1点 D: 0点 E: 0点

ツーペアができたが、SBがベットをしてきた。どうすべきだろうか?
ツーペアをフォールドするのは論外だ。3:1のオッズからして最低でもコールはしたい。が、スロープレイされたKKにチップを全額上げてしまうようなことはしたくない。
コールとレイズの選択は、ハンドの強さも当然関係するが、所有するチップ量も同じくらいの重要度を持つ。現状、あなたは$1,465持っていて、これは大体50M(M=BB+SB)相当だ。これはディープスタックといえる。これがMが10以下のショートスタックなら、Potを出来る限り得られるようにレイズで攻めるのが正しいだろう。勝ちも負けもありうる場面で多量のチップをPotに突っ込むよりは、Potを少なく収めてどっちに転んでも影響を少なくしたほうが賢いと私は考える。