Harrington Holdem Q2.

$30/$60 Pot:$90
A: $4,000
B: $2,500
C: $2,200
D: $2,000
YOU: $2,800
@F: $2,300
SB: $2,000
BB: $2,200

状況: それなりの参加費を取るオンラインSTT。テーブルは全体的にルースで、ぶっちゃけるとfishっぽい。
ハンド: A♣Q♣
アクション: A、Bがリンプイン。C、Dはフォールド。


Q2: あなたのアクションは?
A. フォールド
B. コール$60
C. レイズ$240
D. オールイン


アクション: あなたはオールイン。F、SB、BBはフォールド。Aはコール。Bはフォールド。AのA♦A♥が勝利。


A2.
A: 0点
B: 4点
C: 3点
D: 0点


■解説■
多くの初心者と中級者はこのような状況下で勘違いを起こしがちだ。オールインするとき、以下の思考回路をたどってしまうのだ。

  1. AとBはリンプインだから、たいしたハンドは持っていない。
  2. Potには既に$210入っている。取りに行く価値はある。
  3. 後ろにいるプレイヤーは、オールインにコールできるだけのハンドは持っていないだろう。
  4. たとえコールされてもA♣Q♣は素晴らしいハンドだ。よって…
  5. オールイン!


1つ1つを論理的に見てみよう。

AとBはリンプインだから、たいしたハンドは持っていない。

これは正しいことが多いが、確定的ではない。

  1. アーリーポジションからAA/KKでリンプ
  2. 他のプレイヤーもリンプ
  3. スチール狙いのプレイヤーが大きくレイズ
  4. AA/KK持ちがオールイン

といった古典的なハメプレイもある。

Potには既に$210入っている。取りに行く価値はある。

$210を取りに行くためにオールインで$2,800を失うリスクを背負うのは、相手がQQ+やAKを持っている可能性を考えれば割に合うとは言えない。

後ろにいるプレイヤーは、オールインにコールできるだけの手は持っていないだろう。

相手に持っていて欲しくないハンドはQQ+とAK。これは約2%の確率で配られ、後ろに3人控えているのでそのうち誰かが持っている確率は約6%となる。それに加え、ここはルースな卓なのでJJやTT程度でもコールの可能性がある。A♣Q♣のペアに対する勝率は5分以下だ。

たとえコールされてもA♣Q♣は素晴らしいハンドだ

すべてのペアとAKに対して負けている上、97oのようなゴミ手に対してでも34%は負けてしまう。このハンドが70%以上の確率で勝てるハンドは、AQ未満ののAxかQQ以外のQxしかない。

この状況でオールインをしてしまう本当の理由は、「フロップ後の恐怖」だと私は考える。いわゆる普通のレイズをして、誰かにコールされると、フロップ後は何をしていいのか途端にわからなくなってしまうのだ。理解できなくもないし、事実、フロップ後のプレイは技術と練習が必要だ。しかし、だからといってここでオールインをする理由とはならない。

では正しいプレイは何だろうか?私はコール$60を推す。いいハンドを持っているし、今のところプレイに参加したプレイヤー全員に対してポジションがあるからだ。せっかくポジションがあるのだから、フロップと他のプレイヤーの反応を見てからアクションを決めたい。
次点の選択はレイズ$240。オールインに降りるハンドならば、このレイズにも降りるだろう。スチールに成功すれば万々歳だし、もし成功しなかったとしても被害は最小限に食い止められる。
当然、タイト過ぎるフォールドは論外とする。